月例会発表概要

日本語学習を目的とする沖縄修学旅行について

沖縄県香港事務所
薛 頌平


 21世紀における外国人向けの日本語教育・学習は、様々な形態で展開されている。その中の一つが、体験型学習の分類に入る修学旅行である。修学旅行とは、日本では、教員の引率で小・中・高校生が1学年の全員で旅行することを意味し、その主な目的は、生徒同士の親睦や、平和教育の実施などである。一方で、海外で日本語を勉強する外国人にとっては、日本への修学旅行は、日本語学習に対しても大きな意味を持つ。学んできた日本語を実際に日本で活用し、テキストとは異なる「自然な」日本語に触れる機会が与えられる。 それにくわえ、日本の生活や文化を体験することでより一層日本語の使い方が理解できるだろう。また、仕事がある社会人の学習者にとっては、半年から1年間という長期の留学よりも、1~2週間である修学旅行のほうが参加しやすいだろう。

この報告会では、具体例として沖縄への修学旅行について報告する。香港のある日本語 学校が沖縄で実施した修学旅行を例とし、外国人の日本語学習・教育としての修学旅行の課題と可能性を探る。発表者の修学旅行の視察に加え、社会人日本語学習者、学校経営者と教師へのヒヤリング結果を踏まえつつ、行政の立場にとどまらない視点から発表する。