
月例会発表概要
仮名文字指導の工夫
-字源となる漢字の利用と片仮名先行導入-
-字源となる漢字の利用と片仮名先行導入-
香港大学・マカオ大学・嶺南大学 非常勤講師
郡司 拓也
大学の選択科目の日本語コースでは時間的制約から仮名文字の指導になかなか時間が費やすのが困難なことも多く、そのため仮名文字の導入は教室で五十音図を使って、文字の発音と書き方を紹介し、あとは練習帳を使って学習者が自習して定着を図るという形も多いのではないでしょうか。
特に片仮名は平仮名の導入後に教えられるのが一般的で、平仮名と比べ、初級教科書での使用頻度も低いためか、扱いが軽くなりがちであり、調査でも学習者も平仮名に対して苦手意識が強い傾向が見られます。
言語の四技能をバランスよく修得するため、また教科書を使って、語彙や文型を学習するためには仮名文字学習は必要不可欠ですが、必要に迫られて覚えるというのではなく、少しでも仮名文字学習に興味を持たせ、苦手意識を軽減するような工夫はできないものかと過去数年、自身の授業の中で実践してきたことを今回発表したいと思います。